コラム
2025.12.19
『小上がり和室の窓選びで「採光・通風・プライバシー・デザイン性」を高める方法』
小上がり和室の窓選びで「採光・通風・プライバシー・デザイン性」を高める方法|LHG流設計術
LDKと連続する小上がり和室は、くつろぎ・客間・キッズスペースなど多用途。ところが窓計画を外すと、まぶしさ・視線・寒さなどで居心地が落ちます。ここでは宇都宮の住環境を踏まえ、採光・通風・プライバシー・デザイン性を同時に満たす窓の選び方を、寸法や配置のコツまで具体的に解説します。
1|採光:やわらかい光を“面”で取り込む
- 高窓(ハイサイド)×和紙調障子:上部からの拡散光で一日中やわらかい明るさ。直射まぶしさを回避。
- 横長スリット窓(地窓~腰高):畳面に沿って光の帯を作り、陰影がきれい。床の間側に細長く計画すると上質。
- 室内窓で明るさを横展開:和室→廊下/LDKへ光を回す。格子入りFIXで意匠性UP。
2|通風:上下差と“抜け”で風をつくる
- 縦すべり出し窓を対角配置:風を“つかむ”開き方。対面に換気ルートを確保。
- 欄間窓(ハイサイド)+低い地窓:上下の温度差で自然排気(スタック効果)。夏場のこもり熱に有効。
- 障子は“引込み”に:全開時の有効開口を確保し、通風性能を損ねない納まりに。
3|プライバシー:三層で守る(外構→窓→内装)
- 外構レイヤー:低木・格子・袖壁で一次遮蔽。道路側は視線カット率の高い縦格子が有効。
- 窓レイヤー:目線高さは型板ガラスや和紙調シート、上げ下げ障子で視線をコントロール。
- 内装レイヤー:可動ルーバー障子・ロールスクリーン(天井内BOX隠蔽)で可変性を持たせる。
4|デザイン性:和の軽やかさを“線と面”で演出
- 細割り縦格子:スリット窓とピッチを揃え、陰影をリズミカルに。
- 半透明の面材:ポリカ中空板や和紙アクリルで軽やかさと耐久性を両立。
- 地窓+坪庭:低い視線で庭の苔や石を切り取ると“座の視点”が生きる。
5|方位別の窓戦略(宇都宮の実務感)
- 南:ハイサイドで冬の日射取得、夏は庇・外付けシェードで遮蔽。
- 東西:朝夕の直射は眩しいため、すり+可動スクリーンで微調整。
- 北:柔らかい拡散光。掛軸や飾り棚が映える。FIX主体でも◎。
6|断熱・結露・メンテの基本
- ガラス仕様:Low-Eペアは標準。西・南の眩しさは遮熱タイプ、北は断熱寄りを選定。
- サッシ枠:樹脂 or 樹脂アルミ複合で熱橋を抑制。畳近傍の結露リスクを低減。
- 障子の納まり:天井内引込みでレール段差を最小化。掃除・張替性も配慮。
7|おすすめ窓コンビ(用途別テンプレ)
- 客間/茶の間:地窓(FIX)+ハイサイド(縦すべり)+格子障子
- キッズ兼用:腰高横スリット(型板)+対面に縦すべり/網戸。安全性重視で可動域を限定
- 寝室寄り:高窓主体+ロール+間接照明。朝の眩しさを抑え、夜は落ち着いた拡散光
8|寸法と配置のミニガイド
- 畳面からの見付け:座った目線(H=900〜1,050mm)に抜けをつくると奥行き感が増す。
- 窓下カウンター:H=350〜450mmで床の間のような“置き場”を演出。
- 化粧梁・鴨居ライン:窓上端を揃えると和モダンの水平ラインが決まる。
9|チェックリスト(打合せ用)
- 日中の使い方(昼寝/客間/学習)と必要照度を確認した
- 外構とセットで視線コントロールを設計した
- 通風経路(給気↔排気)を対角+上下で計画した
- ガラス仕様と庇/外付け遮蔽の組み合わせを決めた
- 障子・ロールの収納先(ボックス)を天井内に確保した
まとめ|“座の目線”で窓を決めると居心地が変わる
小上がり和室は、座る高さで世界が決まります。光はやわらかく、風は静かに、視線は美しく切り取る。LHG ARCHITECTSは、外構・サッシ・障子の三位一体で上質な“和の余白”をデザインします。プラン段階からお気軽にご相談ください。


